小説・童話

猫に至る病:01白猫の夢



猫に至る病:01白猫の夢



小さな小さな出版社の

動物雑誌編集者のわ・た・し


猫が好きで好きで好き過ぎるわたし…

前世は猫だったのかなぁ?


それともこれからネコになるのかなぁ…


そう言えば

この間も白猫になった夢を見たなぁ〜

そんなことを考えていると

『シャラ~ン シャラ~ン♪』と

何処からともなくまた

あの鈴の音が聞こえてくると

次第に色濃くなる妖しい白い靄に躰が包まれていく…


なんだかまた急激に眠気が襲ってきたニャ


最近良くある、意識消失系のたちの悪い睡魔ダにゃ


Zzz………


んニャ?


まどろみから、ふと気がつくと

私はまたあの白猫になっていた。


私が白猫なのか、白猫が私ニャのか?

そもそも、私はホントに人間なのか…

実はホントは元々猫じゃニャイのか?


記憶がアヤフヤで混濁しているがなぜだか、ふと

出かけなければならない気がした。


そう。そうだ、今夜は空き地で集会なのだ!

何故だが不思議とそれが分かっていた


急がニャきゃ❉


したしたしたたた…

しなやかに闇夜を駆ける白猫(わたし)


垣根の隙間を抜け

ヒョイっと、塀に飛び乗って

勝手知ったるナワバリを集合場所にひた走る


したたたたたた…


そうして近道、抜け道、ショートカットを繰り返して空き地に着くと


すぐに茶トラのチビ猫が親しげにすり寄ってきた(ΦωΦ)

「ニャァ♪」


「んにゃにゃ!」と、こちらも挨拶を交わし

匂いの嗅ぎ合って、おでこをくっつけ

そしてそっと鼻チュウ💋を交わした。


そう、仲良しなのだw


「にゃんっ」、「にゃあ」、「にゃにゃ」

いちニャンいちニャン、皆に声がけをしつつ

重鎮たちにも挨拶を済ます。


街のメンバーは既にもう大体集まっていた。


ん?あれっ。ボスがいないにゃぁ


と、思ったらフッと長い影法師が横切り

満月を背に

しなやかだけど細マッチョな漢の

シルエットが、つぃっと浮かび上がる


皆がボスの定位置に注目する

ボスの登場だ!!


ボスはゆっくりとメンバー全員を見まわすと

座り直した

が、急に片眉をつり上げて

私を鋭く睨む


耳をイカ耳にして野生の虎と同様に

威嚇の為の目玉模様が耳の裏側に描かれていた

遠い遠い野生のご先祖様に習って、今は名残りだけの耳の裏見せのディスプレイ

背中の毛を逆立たせてボスは『シュ!』と一声強く鳴いたあと

私のなかのワタシ

というか、厳密言うと白猫の中のわたし

のわずかな意識を敏感に感じ取ったようだ。


フッと、意識が拡散して

真っ裸の私は白猫の上にプカリと浮いている

私のお尻からは透明な尻尾状のモノが

白猫の尻尾へと連結されている…

いつしか私の存在に気付いた

猫集会のメンバー皆達が

皆、総毛立って背を丸めている


『フシャーーー!』

ボスのひと鳴きが、なんと言っているのか

今の私にはっきり分かった。


力強く響く声が頭の中でこう言っていた

『去れ!人間よ』


プッつん…白猫と私は分離して

私は糸の切れた凧のように

グルグルと目を回しながら在るべき処へと

私の魂?は迷走しつつも肉体の在り処へ

向かっていた…

続きを読む "猫に至る病:01白猫の夢"

| | コメント (7) | トラックバック (0)

ダイイングメッセージは0157…(其の肆)



ダイイングメッセージは0157…(其の肆)


が、しかしダイイングメッセージとの符号は…

ん?まてよ
甥の七瀬…

甥子の七…か、ふむ。


んん?「おいごなな」だとぉー?

と、その時俺の脳裏に
ビビっとインスピレーションが走った!!

即座に携帯でネットに接続して検索
ググってみる!

対象語にズバリの該当がないが
検索結果で候補に上がるものは
やはりたった一つだけ!

賢明なる読者諸君も検索すれば
きっと漏れ無く同じ答えに行き着くだろう

「よーし分かった。
謎は解けた!じっちゃんの名に賭けて…」

そう言いかけた刹那
遮る様にカブり気味に

それまで黙々と傍らで検死作業を続けていた女医が極めて無機質、且つ事務的にこう言った

「死因はO-157食中毒による
ショック死です」

ぐぐぐ…今、言おうと思ったのにぃー!!

ゴミ箱の賞味期限切れの肉の空パックと
冷蔵庫の同じく賞味期限切れの卵、そして食べかけのクッパビビンバ

物言わぬ物証が今は恨めしい

検視で気づかない愚鈍な俺

加えて、雁首揃えて
保健所じゃなく警察に連絡した第一発見者の間の抜けた面々…

無能な男共に
見りゃ分かんだろ!
ふつー。
の体の女医の冷たい眼がイタイ


ダイイングメッセージ
じゃなく
ダイニングメッセージ
でした(滝汗)

オチをつけてみたものの
おちつかない俺

全部コイツのせいだ!
「紛らわしいちゅーねん!
腹立つわホンマ!!」

と、男達は心の中で皆思うのであった


冴内輝男の事件簿
ファイル001
「ダイイングメッセージは0157」


続きを読む "ダイイングメッセージは0157…(其の肆)"

| | コメント (6) | トラックバック (0)

ダイイングメッセージは0157…(其の参)

そう…
メッセージはダイヤル『0157』

さぁ〜て、さて
変死疑の可能性を解明せねばならないぞ!

遺書等は無しで、仮に他殺と仮定した場合の容疑者は

第一発見者でもあり、通報者でもある重要参考人の三人だ。

まず、会社を2日続けて無断欠勤した被害者(ガイシャ)の上司で
携帯にも家電にも出ないのを心配してやって来た人事部の担当役員の無茶振(むちゃぶり)氏

次ぎに
緊急時の連絡先となっており、会社連絡を受け被害者の安否確認に同席した
近くに住む甥の七瀬(ななせ)氏

そしてもう一人は
二人の訪問、要請で部屋の鍵を開けた
管理人の建前(たてまえ)氏

なのだが
死亡時間が分からない以上
アリバイ崩しとか以前の問題

供述の裏取りと動機を探りたいところだが
聞き出せたのは…

被害者の会社は創業8年で従業員は140人とチョイ

そして、二ヶ月前天下りで人事担当役員になったばかりの無茶振氏と
生え抜きの総務部長のガイシャはなにかと衝突が絶えず、つい三日前もバトルが勃発していた模様

えーと、現在140数名が在籍で
創業8年の会社

と、なると…

過去の退職者の欠番を入れたら…と推理を働かせる。

もしかして…

早速、会社へ問合せてみると
ビンゴ!
無茶振氏の従業員ナンバーは
奇しくも0157だった

それではガイシャの隣室に住む
猫好きの管理人の建前氏はと言うと、去勢していない雄の愛猫のサカリ声が煩いと、猫嫌いのガイシャとよく揉めており
ルームナンバーはなんと0157

おいおい。ダブルで両面リーチ目かよ


最後に
一見ダイイングメッセージの
ダイヤルとは無関係な
血縁者である甥の七瀬氏。

近所に住み頻繁に遊びに来ていたようだが、つい四日前に多額の借金の申し入れを叔父に断られて動機はある…

が、しかしダイイングメッセージとの符号は…

(続く)

続きを読む "ダイイングメッセージは0157…(其の参)"

| | コメント (3) | トラックバック (0)

ダイイングメッセージは0157…(其の弍)


ダイイングメッセージは0157…(其の弍)



そんな被害者(ガイシャ)の様子はと言うと
室内に争った形跡、物取りの犯行とおぼしき散らかりも特に見受けられず

遺体に外傷は無いものの
決して安らかとは言いがたい苦悶の表情を浮かべて亡くなっている…南無三

参考人からの事情聴取からすると
はっきりしているのは
存命が確認されている日を最後に
死後2日以内だと言うことだけなのだが
強く利かせたエアコンのせいで正確な死亡推定時刻を割出すのは非常に困難な状況だ。

遺体が見つかったダイニングでは
食べかけ飲みかけのひっくり返った容器と飲食物が散乱したまま

そして
問題の番号なのだが
ガイシャのスマホの電話帳の
短縮ダイヤルに該当は無し

自殺と仮定してみた場合
遺書ならば通常は
事に及ぶ前に先に書くはずで
この数字の羅列がそうとは
ちょっと考えにくいし…

ぐむむ、こいつぁ
病死で単に偶然、近くにあった携帯を断末魔の苦し紛れで押してしまっただけなのか?

はたまた火サスばりの他殺事件で犯人を示すダイイングメッセージなのか?
全てはまだ謎のままだ…

(続く)

※注、お話は全四話です
大した文量ではありませんが
携帯閲覧や活字にプレッシャーを
感じる方を意識して四分割しました
ではまた(^-^)/

続きを読む "ダイイングメッセージは0157…(其の弍)"

| | コメント (6) | トラックバック (0)

ダイイングメッセージは0157…(其の壱)


ダイイングメッセージは0157…(其の壱)



せっかくの非番に
けたたましく響く電話のベルで
叩き起こされ朝から非日常へ

フッ。いつもの事さ!
と自嘲気味にボヤキながら俺は現場へ愛車を走らせる

そして物語は幕を開ける…

病死や老衰など自然死以外の孤独死で且つ
変死(異常死体)または変死疑の遺体は通常、司法警察員(警察)が検察の代行検視をするのだが…

困った事にこの事件(ヤマ)は

なんの因果かホトケさん(遺体)が
握りしめたスマホで末期
のダイヤルキーを押したままの姿で
うつ伏せに死を迎えていたのだ!

だから自然死とは考えにくいのだが…

(続く)

続きを読む "ダイイングメッセージは0157…(其の壱)"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

それでもキスが好き



それでもキスが好き




「ガチャリ…たっだいまぁー!」

部屋に着いてドアを開けた途端
いきなり飛び付いて来た彼女の
奔放で真っ直ぐな愛を受け
今日もまた
ディープに唾液まみれにされつつも

「こらっ!ちょ、おま
どんだけっ

スト、ストッープ!

ぁん♡ダ〜メだって。こぉら
ゴ・ハ・ン!ご飯が先!めっ!!」


甘噛みをしつつ
ゴロゴロ…と胸の上で甘えてくる
そんな気まぐれな彼女を抱き上げ
引き剥がしてそっと床に下ろすと

うちの姫はスキンシップを要求して
まだちょっと不服そう(笑)

フェザータッチで頬を軽く撫でながらも
食事の準備をテキパキこなしていく僕…


買ってきた天丼をレンジでチンして
缶詰めの蓋をパカッと開ける
サラダを取り分けて…

よしよしオッケー!できたぞ
「いっただきまーす」

「あっ!こら、ルル」

こいつめ、猫缶には目もくれず
また僕の鱚天を

違いの分かるお転婆娘

愛猫ルル♀二歳は鱚(キス)がお好き

なおーん、てねw


続きを読む "それでもキスが好き"

| | コメント (10) | トラックバック (0)